今回は工場の省エネ対策として、中小企業税制優遇制度を活用した省エネ形ルーフファンとその導入事例をご紹介します。(情報提供:株式会社 鎌倉製作所)
~目次~
■日本の脱炭素化計画について
■省エネ対策について
■省エネ形ルーフファンについて
■中小企業経営強化税制(税制優遇)について
■鎌倉製作所 中小企業経営強化税制 A類型(証明書発行)対象製品一覧
■中小企業経営強化税制 導入事例
■仕様
■導入をお考えの方へ
■日本の脱炭素化計画について
日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを2020年10月に宣言しました。
同時に2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを表明しています。
カーボンニュートラルとは、生産などによって排出される温室効果ガスの量と、植林・森林管理などによる植物の吸収量を等しくし、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
このカーボンニュートラルを実現した社会を「脱炭素社会」と呼びます。
また、SDGsの17の目標のうち直接カーボンニュートラルと関わりがある項目は以下の2点です。
目標07 「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
目標13 「気候変動に具体的な対策を」
■省エネ対策について
省エネに対する課題を抱えている企業は多くあると言われています。
・大規模な生産設備の省エネ対策は完了したが、換気設備も見直した方がいいのでは?
・古いルーフファンを使用しているものの更新した方が省エネになるのでは?
・工場の生産性を保ったまま省エネ化はできないだろうか?
こうした課題を解決する方法のひとつとして、鎌倉製作所様の『省エネ形ルーフファン』をご提案いたします。
■省エネ形ルーフファンについて
鎌倉製作所の省エネ形ルーフファンは省エネ効率に優れています。
各機種の省エネ性能比較
■中小企業経営強化税制(税制優遇)について
鎌倉製作所の省エネ形ルーフファンは中小企業経営強化税制(税制優遇)のA類型の対象商品です。(※RF-42Eは除く)
導入時に活用いただくことで税制優遇を受けることができます。
なお、経営力向上設備等を取得する計画の場合には、「工業会等による証明書」または「経済産業局による確認書」の取得が必要となります。
設備取得前に設備メーカーに証明書発行を依頼し、設備メーカーを通じて工業会等から生産性向上要件を満たす設備であることの証明書を取得しなければなりません。
この証明書は申請から発行まで数日~2ヶ月程度かかるため、事前の確認が必要です。
鎌倉製作所では「経営力向上計画」申請前に工業会へ証明書発行申請を行い、お客様へお渡ししております。
中小企業経営強化税制(税制優遇)とは
中小企業の設備投資による企業力の強化や生産性向上を後押しする制度です。
中小企業者が自社の強み・弱みや経営状況、労働生産性などの目標、それに向けた取り組みなどを記載した「経営力向上計画」を策定し、中小企業等経営強化法の認定を受けます。
それに基づいて新たな設備の取得・製作等を行った場合、即時償却または取得価格の最大10%の税額控除が選択適用できるというものです。
より詳しい内容は以下のHPやチラシをご覧ください。
(画像をクリックすると拡大表示されます)
中小企業庁HP『経営サポート「経営強化法による支援」』
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/)
■鎌倉製作所 中小企業経営強化税制 A類型(証明書発行)対象製品一覧
(画像をクリックすると拡大表示されます)
■中小企業経営強化税制 導入事例
クールクリーンファン+ルーフファンを採用された事例を2件ご紹介いたします。
導入事例① プレス・金型製作会社[三重県]
ご相談内容
コンベヤローラをはじめキャスターや自動車などに使われているプレスベアリングの製造、加工、出荷と、空港の荷物を運ぶ際のコンベヤコンポーネントの製造を行っているお客様より、鎌倉製作所様へ以下のご相談がありました。
・工場を移転したが、移転先の工場内が10月中旬でも40℃近くになってしまい非常に暑い。
・コストや受電設備容量の問題がありエアコンは導入できない。
エアコンと搬送ファンの組み合わせも考えたが風量不足の不安がある。
このご依頼に対して、鎌倉製作所様はお客様からのご要望(※1)でもあるクールクリーンファンとルーフファンの導入をご案内されました。
(※1)ご要望については以下の「これまでの経緯」で触れています。
これまでの経緯
2017年に工場を移転されましたが何も暑さ対策を行っていなかったため、初年度は旧工場から持ってきたスポットクーラーと扇風機で凌いでいたそうです。
しかし10月中旬でも40℃近くになってしまいまだまだ暑いため、社員の健康を第一に考えて様々な施策を実施する一環として暑さ対策の検討を始め、その過程でクールクリーンファンに着目、鎌倉製作所の見学施設である佐久平開発センターで実際に体感した上で導入を決めたとのことでした。
施工内容
設置機種:クールクリーンファン(CC-470U2-E3×6台)
(https://www.kamakura-ss.co.jp/products/cool_clean_fan/)
ルーフファン(RF-914NP×3台 他多数)
(https://www.kamakura-ss.co.jp/products/roof_fan/index.html)
鎌倉製作所のルーフファンは水の気化熱を利用して涼風を吹き出す構造になっており、スポットクーラーより広いエリアに涼風を送ることができます。
今回の施工では、暑いゾーンであるプレスエリアや金型製作エリアを中心とする作業車がいる場所にダクト配管を行いクールクリーンファンの涼風を届け、建屋の棟部にルーフファンを増設し換気回数を12回/hにアップさせることで熱気を排出できるよう全体の風の流れを設計しました。
プレスエリアにダクト配管し、作業者がいるゾーンに涼風給気
CC-470U2-E3 2台 本体外観 5.5kW特殊仕様
屋上の様子。ルーフファンを増設し、換気回数をアップし熱排出を強化。
ソーラーパネルとカバールーフで輻射熱を防ぎつつ、ソーラーパネルで発電。
配置図
お客様の声
「導入の決め手は事前の実機体感。今年も暑かったら辞めると言っていたベテラン作業者も大満足。」
当工場は例年10月中旬まで暑く40℃近くになっていましたが、今年は全体で33℃~34℃、暑いところで38℃程度に気温が低下し、計画通り風の流れを感じられ体感的にも涼しくなりました。
「今年も暑かったら引退する」と冗談交じりに行っていたベテラン作業員も「これでまだまだ頑張れる」と言ってくれています。
気化熱を利用するということで錆の心配もありましたが、同業他社に多数導入されている実績もあり当工場では金型に風が直接当たらないようにカバーをかけています。
今後はより涼しくするためにクールクリーンファンを追加で2台購入したいなと考えています。
導入事例② 段ボール製造/製箱機会社[大阪府]
ご相談内容
大阪府で段ボールケース・シートの設計・製造・販売までを一貫して手掛ける段ボールメーカーのお客様より、鎌倉製作所様へ以下のご相談がありました。
・夏場の工場内が本当に暑く、室温は40℃を超えていて新卒入社した野球部出身の男性社員もまいってしまうほどである。
・段ボール業界内でもよく施されているルーフファンの設置や屋根に断熱材を入れる工事、スポットクーラーの設置を行ったが、スポットクーラーは熱風も同時に吹き出すのでかえって工場内の温度が上がってしまった気がする。
このご依頼に対して、鎌倉製作所様はお客様からのご要望(※2)でもあるルーフファンとクールクリーンファンの導入をご案内されました。
(※2)ご要望については以下の「これまでの経緯」で触れています。
これまでの経緯
お客様は2017年に社内の健康づくりを促進するための「健康宣言」を行い、2021年には経産省の「健康有料法人2021(中小規模法人部門)」の認定を受けるなど社内の働きやすさの実現に力を入れており、人材の採用や安心して働ける職場づくりの観点から5年ほど前から暑さ対策の検討を始めてこられたそうです。
鎌倉製作所については西日本段ボール工業組合のセミナーで何度か見かけていたが、室外から帰化した空気を入れて本当に工場が冷えるのか疑問に感じていたとのこと。
それでも営業の方に何度も相談し、また近くの導入工場の知人に効果を聞いたところ「ごっつう風量あるで~」と評判だったこともあり導入を決めたそうです。
施工内容
設置機種:ルーフファン(RF-914NP×3台)
(https://www.kamakura-ss.co.jp/products/roof_fan/index.html)
クールクリーンファン(CC-470U2-E3×3台)
(https://www.kamakura-ss.co.jp/products/cool_roof_fan/index.html)
クールクリーンファンの設置の様子
ダクト配管によって、工場内の至るところで涼風を感じられます。
平面図
断面図、断面図・拡大部
お客様の声
「クールクリーンファンのおかげで、工場内にオアシスができました。」
クールクリーンファン導入後は本当に工場内の温度が下がり、外気温度マイナス3℃ほど。暑さ対策を講じる前に比べたら10℃近く下がり、その年から熱中症ゼロはもちろん疑わしい症状の発症もなくなりました。
ダクトの吹出口を工場内にいくつか設置したことによって、工場のあちこちに作業者が肉体的にも精神的にも涼しくてホッとできる「オアシス」ができたのが良かったです。
また、工場内の室温が下がったことにより電子部品の故障リスクも低減できたと思います。
段ボールは短納期で在庫を抱えない商品ですので、暑さで機械が半日でもストップすれば大問題です。
機械の部品やメンテナンス費用も高騰していますので一石二鳥でした。
これからも段ボールを手にした方が「段ボールが良いから中身の商品も良いだろう」と思っていただけるような、そんなお手伝いができればと思っています。
■仕様
省エネ形ルーフファンの仕様は以下のとおりです。(画像をクリックすると拡大表示されます)
■導入をお考えの方へ
田崎設備株式会社は全体換気設備の分野で全国トップシェアを誇る(株)鎌倉製作所の代理店として、2022年4月より全製品を取り扱うことができるようになりました。
これからは換気の悩みを弊社がワンストップで解決できるようになりました。換気の改善、既存設備の更新など遠慮なく田崎設備に申しつけください。お客様の状況を拝見し、最適の改善策をご提案いたします。
また、産業用換気装置の製造・販売のメーカーであり業界のパイオニアとして市場開拓に取り組むなど半世紀以上にわたってルーフファン(屋上換気扇)のシェアNO.1を誇る鎌倉製作所様の施工までの流れやお問合せ先などについて、詳細は以下のリーフレットをご参照ください。
(画像をクリックすると拡大表示されます)
参考
・環境庁ホームページ『脱炭素ポータル』より
(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/road-to-carbon-neutral/)
・外務省ホームページ『気候変動 日本の排出削減目標』より
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000121.html)