最終更新日 2023年10月27日

この度、田崎設備株式会社が下野新聞(2023年1月13日(金)発刊)の11面「とちぎの企業力」に掲載されました。

下野新聞(11面)



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とちぎの企業力-110




田崎設備=真岡
 田崎 利也(たさき としや)社長(60)

 田崎社長は宇都宮市出身。 日大法学部卒。 県内の電気設備会社で2年間施工業務を経験した後、1987年に田崎設備入社。創業者の父健行氏の死去に伴い98年、 社長に就任した。 若手従業員の育成の一環で、2017年から技能五輪の冷凍空調技術職種に選手を派達し続ける。 「出場することで技術への理解が深まる」 と語る。
本社は真岡市長田1の2の9。 従業員は15人。2022年10月期の売上高は約6億2千万円。



工場内環境 空調で守る  高い技術力 コンサルも

 祖業の食料品店向け冷凍機卸を経て、現在は工場などの空調設備を事業の中核に据える。技術力の高さが評判を呼び、関東を中心に新規顧客を次々と獲得。ニッチな分野で年々売り上げを伸ばしている。 (吉田隆則)

 創業は1975年。宇都宮市氷室町の自宅の脇に、先代で父の故健行氏が事業所を構えた。「町の冷凍機屋」として、当時急速に増えていた鮮魚店や肉店など個人商店に卸冷蔵ケースを仕入れ、付随店舗設備の施工も手がけた。



生き残りかけ
 時流を捉えた事業はすぐに軌道に乗り、冷凍機メーカーからも表彰された。だが長くは続かなかった。コンビニエンスストアの台頭で、顧客は次々とコンビニに加盟するか、廃業を選んだ。先代が病に倒れ、60年に入社。
当時は「創業から十数年で顧客が激減し、じり貧だった」。生き残るには従来のビジネスモデルからの脱却が必須だった。

 転機は約30年前。「何か新しいこと」を模索する中、真岡市内の食品会社から工場内の温度や湿度を一定に保つ空調設備の施工業務を受注した。
以来、積極的な営業で食品製造業者を中心に顧客を開拓し、経営を安定させた。



ニッチな部分
 1~2億円で推移していた年商が急成長を遂げたのは2013年。同市内の企業からの受注を機に「局所排気装置」を手がけるようになった。労働安全衛生法で設置が義務づけられている装置で、工場の作業員を有機溶剤や化学物質、粉じんから守る。
初めて取り扱った際は戸惑ったが、労働基準監督署に通い、工場全体の空気を循環させるために必要な設備や、作業員の業務を妨げない配置の仕方などノウハウを培った。

 外気を取り入れながら室内の環境を一定に保つ「外気導入空調」も積極的に提案する。施工上の制約が多い危険物貯蔵所の空調にも独自に応用し、施工事例として自社ホームページで紹介すると大きな反響があった。
東北や九州の企業からも問い合わせがあり、化学メーカーを中心に受注を増やした。他社との競合が少ない「ニッチな部分での強みを生かしたい」と話す。

 新型コロナウイルス禍や海外情勢の先行き不透明感などから、製造業は「国内回帰が進み、設備投資は増える」と予測する。
空調設備を通して、顧客の脱炭素化を目指すコンサルティング事業にも本格的に乗り出した。「さまざまな側面から日本の製造業の発展に貢献したい」と意気込む。

取材を終えて

 社業に就いた当時は顧客が減り続けていた。世間がバブルにわく中、自身の境遇は対照的だったという。 そんな苦しい時期を振り返る今の表情は明るい。 新事業の道を切り開き、着実に業績を伸ばしてきた自信がうかがえた。「顧客にリピートしてもらうための努力はするが、1円でも安く、と妥協するような仕事はしない」。
ニッチな強みを武器に今後どんな成長を遂げるのか、注目し続けたい。