有機溶剤や特化物の中には、消防法にて「危険物」として規定されている物質があります。
第4類危険物のうち第1石油類のガソリンやトルエン、エチルメチルケトン、アルコール類のメタノールやエタノールが該当します。
(参考:厚生労働省HP『労働安全衛生関係法令における危険物の概要』)

これらは労働安全衛生法により労働者の安全安心を確保することが義務付けられているだけでなく、消防法により危険性を排除するための様々な規制が義務付けられています。

消防法による規制でもっとも重要なことは、危険物の製造や保管をする場所に対して防爆エリアとしての制約を受けることです。
したがって、危険物を取り扱う基準(壁や柱、床を不燃材料で造る、24時間稼働する強制排気装置を設ける、電気設備はすべて防爆構造、など)を満たすよう検討し、所轄の消防署と事前協議をした上で局所排気装置の設計を進めます。



危険物製造所では可燃性危険物の蒸気が施設内に充満しないよう24時間強制換気の送風機の設置が義務付けられています。
局所排気装置の排気ファンと合わせると二重の排気となってしまうため、給気用ガラリから相応の給気を取り込む必要があります。

外気をそのまま取り込む場合、室内環境は外気の温湿度の影響を大きく受けます。
取り扱う危険物の品質作業員の安心安全な生産環境を確保したいという要求の高まりに伴って製造所内の空調のニーズは増加傾向にあります。

また上記の場合、冬場の静電気対策として加湿を、結露対策や製品乾燥のために除湿を特に考慮します。
室温については夏場と冬場で設定を変えることで空調機の選定を小さく、コストダウンを図ることが大切となってきます。

室内温度が製造する危険物の温度に影響する場合は一年間を通して一定の温度にする必要がありますが、影響がない場合は設定温度の幅を広げることでイニシャルコスト・ランニングコストの両方とも落とすことが可能となります。