製造業を営むお客様から、次のようなご相談がありました。
・洗浄・含侵加工の工程で有機溶剤(スチレン、トルエン等)を使用している。
・局所排気装置は設置済みだが冷房設備はなく、空気の流れも乏しいため夏季は常に高温状態となっている。
・作業員は常時マスクを着用しており、暑さや酸欠など体調面への負担が大きい。
・有機溶剤を保管する際の温湿度管理も行いたい。
・作業場所が防爆エリアに該当するため、空調設備導入の可否を確認したい。あわせて既存の局所排気装置の更新も検討している。
ご提案・打ち合わせの様子
現場確認の際には、代表取締役社長をはじめ各部門の課長など6名の方にご同席いただき、次のようなご提案をいたしました。
・当社では防爆エリアの空調、局所排気装置の新設・更新、工場全体の換気まで包括的な対応が可能。ただし導入範囲や優先順位はお客様の判断に委ねている。
・労働基準監督署への申請や対応、消防署との協議などについても豊富な実績があり、当社で一貫して対応が可能。
・工場全体の換気は既存排気設備とのバランスを取りながら給気位置と排気位置を最適化し、空気の流れを均一化できる。
担当者の所感
工場全体の換気を改善する場合、複数の部署が関係していることがほとんどです。
今回のように工事内容を各部署の課長や代表取締役社長にも直接ご理解いただくことで、その後の工程や打ち合わせを滞りなく進めることができるのだと学ばせていただきました。
施工内容
・防爆エリア空調機新設工事
・局所排気装置更新工事
・工場全体換気計画の再構築
施工時に気を使った点、工夫した点
・温湿度管理の精度工場
溶剤保管場所には湿度センサーを設置し、空調と連動させて安定制御できるシステムを組み込みました。
・局所排気装置の更新
フードの形状を変更し、吸引効率を高めながら作業スペースを妨げない構造としました。
・換気計画の見直し
工場全体の空気の流れを計算し、給気と排気のバランスが取れるようにしました。
施工後のお客様の声
お客様からは、『どこに相談しても解決できなかったので本当に助かりました。防爆エリアの空調だけではなく、局所排気装置の更新や工場全体の換気まで見ていただき本当に感謝しています。作業環境が大きく改善され、従業員からも好評です。
今後は他の工場も順次改善していけたらと考えていますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。』とのお言葉を頂きました。
社員の安全衛生×防爆エリア×熱中症対策
工場の空調や換気に関する課題は、局所排気・防爆エリアの空調・工場全体の換気といった要素が複雑に関わり合っていることが少なくありません。
それぞれ個別に対応するのではなく、全体を見据えて一体的に設計・施工することで安全性・快適性・法令順守をバランス良く実現できます。
また、打ち合わせの際に代表取締役社長や各部署の課長など、意思決定に関わる方にもご同席いただくことで工事内容の共有がスムーズになり、その後の工程や調整も円滑に進められることが今回の事例で明らかになりました。
よくいただくご相談には「工場内のAエリアの空調を改善してほしい」というものがあります。
しかし実際には隣接するBエリアにも要因があるケースが数多く見られます。
AとBの改善工事を同時に進めることが望ましいとご提案させていただく場合もありますが、「Bエリアは別部署の担当なので自分の判断では決められない」「自分より役職が上の者に確認しないと回答できない」といったお声をいただくことも少なくありません。
たとえ一部分だけを改善しても、工場全体のバランスを整えなければ根本的な解決には繋がりません。
工場全体の空調を改善したいとお考えであれば、部署の垣根を越えて各部門の責任者や経営層など意思決定できる立場の方にご同席いただくことで、当社が最適な解決策をご提案することができます。
「防爆エリアだから空調は難しい」「局所排気と全体換気をどう両立するべきか分からない」といったお悩みがあれば、ぜひ一度当社へご相談ください。
お客様にとって最適なご提案をさせていただくとともに、設計から施工、申請業務まで一貫して対応いたします。
お問い合わせフォーム→(https://tasaki-s.co.jp/contact)