有機溶剤は、利便性の半面、人体に害をもたらすものが多くあります。
それだけに良好な作業環境の保持は絶対で、作業工程で生じる有害ガスや蒸気などの速やかな排出のために、法律では局所排気装置等の設置を義務付けています。
基本精神は労働安全衛生法で示されています。
個別的には有機溶剤中毒予防規則があります。
局所排気装置等の設置について上記の他には鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、除じん防止規則等でも同様のことが指摘されています。
労働安全衛生法の1条では「労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するために、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」と労働災害防止が法の趣旨であることをうたっています。
同法とそれに基づく労働安全衛生法施行令では設置や検査等の届出も必要としています。
(参考:e-GOV法令検索より『労働安全衛生法』)
対象となる設備は局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置及び廃液処理装置等と幅広くあり、プッシュプル型排気装置は持っている機能性から局所排気装置と並んで導入すべき装置とされています。
また、装置には換気装置の排気に含まれる有害物質を分離、回収または無害化するために除じん装置や排ガス装置を設置する必要もあります。
有機溶剤中毒予防規則では5条と6条で「有機溶剤の蒸気の発散を防止する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置」の設置を指示しています。
届け出義務としては有機溶剤の発散元となる機械、又は設備の概要、有機溶剤の発散の抑制の方法と排気の仕組みが求められています。
次に設備に触れ、「有機溶剤の発散元を密封する設備にあっては密閉の方式及び当該設備の主要部分の構造の概要、全体換気装置にあっては型式、当該装置の主要部分の構造の概要及びその機能」と排気装置そのものの構造と働きの説明を促しています。
図面では設備等と配置図、有機溶剤業務を行う作業場所などがあり、局所排気装置やプッシュプル型換気装置等の適用書も届出が義務付けられています。