利便性を多く持つ有機溶剤ですが、利用に際しては十分な対応を取らないと人体に害を及ぼします。
最悪の場合には死に至ることもあって、有機溶剤の管理や有機溶剤を使っての作業にあたっては十分な換気などの設備と作業員の変化に目を配ることが必要です。
労働省令で制定された有機溶剤中毒予防規則では、その中心者として有機作業主任者を置くことを義務付けています。

(参考:中央労働災害防止協会 安全衛生情報センターHP
有機溶剤中毒予防規則 第四章 管理(第十九条-第二十七条)



有機溶剤中毒予防規則の第4章「管理」の項目で有機溶剤作業主任者の選任についてとして、同規則第19条の②で「事業者は、令第6条第22号の作業については、有機作業主任者技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任しなければならない」と明記しています。
法に基づく事業場の安全衛生管理体制の一環です。
有機溶剤作業主任者は事業体の規模にかかわらず、危険作業に際して資格を持った者の中から選任することが義務付けられています。
当該作業の技術面とともにその危険性を熟知している有機溶剤作業主任者を置くことによって、適切な作業方法や現場管理を徹底、作業員への指示を適切なものにして労働災害防止を図ります。
なお、労働安全衛生施行令によると同第22号で作業場所は「屋内作業場又はタンク、船倉若しくは坑の内部その他の厚生労働省令で定める場所において(中略)有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものにかかわる作業」とあります。



有機溶剤作業主任者の仕事は幅広いものがあります。
有機溶剤を扱った作業を行う事業者を代表して事業場の管理と作業員の安全を図ります。作業の全てを知ることが前提になります。

作業場の管理では使用する有機溶剤の種別などを作業員に分かるように作業場に表示することから、作業を終えた後の空容器の処分まで、スタートから終了まで気を抜けない業務を担当します。

作業者の健康管理では換気から健康診断、有機溶剤の毒性から体を守るマスクなどの防御用具などにまで及びます。
特に有機溶剤の毒性によってもたらされる、作業員の健康状態の変化には常日ごろから気を配ることが求められます。

資格としては主に都道府県単位で実施される有機溶剤作業主任者技能講習を修了することが必要となります。