栃木県で金属表面加工業を営むお客様より、以下のご相談がありました。
・金属表面加工の作業過程で有機溶剤を使用している。
局所排気装置を製作したがほとんど機能しておらず、作業環境の改善のために一度見てほしい。
課題解決の提案
今回のお客様は検査と洗浄の工程で有機溶剤を使用されていました。
自作されたという局所排気装置は作業台の上部にフードとして設置してありましたが、送風機ベルトの緩みや本数不足のため吸い込む能力がありませんでした。また作業台が低くかがんで作業をしていたため作業員は揮発した有機溶剤を吸い込んでしまうという状況でした。
そこで田崎設備では、作業工程に合わせて以下の局所排気装置をご提案いたしました。
検査室 ? 作業の効率を落とさないよう囲い式フードをご提案し、光の反射がないように表面をブラック仕様にしました。
洗浄工程 ? 隣り合った複数の溶剤へ金属を順番に浸していく工程であり、蓋があると作業の妨げになってしまうため作業効率を維持できるよう囲い式フードをご提案しました。
施工内容
・局所排気装置の囲い式フードの製作、設置
・定期点検および洗浄の年間契約
施工風景写真
<検査室 施工後>
<洗浄工程 施工後>
施工の際に気を使った点
検査室
暗い部屋の中で作業を行うため、囲い部分に黒い板を使用し反射しにくいように工夫しました。
また、常時使用するため末端部にガードを取り付けるなど安全面にも配慮しました。
洗浄工程
液剤をこぼしても拭き取りやすいようにステンレスで製作しました。
また作業台の高さも調節し、かがまずに作業ができるようにしました。
排気ダクトは局所排気装置の背面に立ち上げ、既存の配管に繋ぎました。
洗浄工程での囲い式フードについて
今回洗浄工程で設置した囲い式フードは弊社で設計・製作を行いました。
洗浄作業時に溶剤を横に並べて移動しながら行うため、上部にフードを取り付けるのではなく作業台を二重構造にしました。
内側の作業台は窪ませて両側面にパンチング処理を施し、その中に溶剤を置いて作業していただくことで側面の穴から揮発した有機溶剤を排気、外側の枠の下部にダクトを繋ぎ排気できるような局所排気装置を設計し製作しました。
(焼肉店にある無煙ロースターをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません)
<製作途中 外側>
<製作途中 内側>
<製作途中 完成図>
<現場 配管取付後>
<内側作業台 図解>
施工後のお客様の声
『以前よりも匂いがなくなり、作業環境がかなり改善されたと思います。本当にありがとうございました。』とのお言葉を頂きました。