神奈川県で印刷業を営むお客様より、以下のご依頼がありました。
・シルクスクリーン印刷工程で有機溶剤を使用しているが、有機溶剤を塗布する際に暴露してしまう。作業環境を改善したい。
・屋内を陽圧化してほしい
・できれば低コストで施工してほしい。
田崎設備からの課題解決の提案
有機溶剤の暴露防止に対して、作業者が台を移動させることもあるためプッシュプル型換気装置を提案させていただきました。
プッシュプル型換気装置とは、局所排気装置に比べて一般に低い風速で有害物質を補足し、排出することができ、塗装作業や溶接作業、グラビア印刷などに用いられています。
風速のばらつきを少なくすること、吹き出し気流と吸い込み気流のバランスが重要であり、有機則などの法令に関する知識も必要とされます。
参考:厚生労働省『職場の安全を応援する情報発信サイト職場のあんぜんサイト』より
(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/pdf/taisaku/common_Ventilating.pdf)
また、夏場に結露が発生するのでどうにかできないかというご相談もありました。
夏場の外気温が35℃、作業室の室温25℃の時に結露が発生するそうで、製品にそれほど影響はないが機械が錆びてしまうのではと心配されていました。
その原因として考えられるのは屋内が陰圧であるということです。
そもそも結露とは空気中に含まれる水蒸気が冷えて水滴になることで発生します。
空気には「飽和水蒸気量」をという水蒸気を含むことができる限界値があり、気温が低いほど飽和水蒸気量も低くなります。
空気が冷える原因は主に「室内外の寒暖差」をにあります。
このお客様の場合、湿気を含んだ外気が冷房をかけている室内の壁や窓などに触れて冷やされることで飽和水蒸気量が下がり、溢れた水蒸気が水滴となって結露になっている可能性があります。
さらに給気よりも排気が多いため屋内が陰圧になり、湿気を含んだ外気を吸い込みやすい状況にありました。
そのため、作業室の隣にある発送室に一度外気を取り込み一部空調された空気と合わせて作業室へ送風するという外気処理方法を併せてご提案させていただきました。
施工内容
・ダクト工事
・配管工事
・断熱工事
・足場工事
・電気工事
施工の際に気を使った点・工夫点
陰圧解消のためには空調された外気導入がベストでしたが、予算や設置場所の問題があったため隣接した部屋(発送室)の空調された空気と外気をミックスして作業エリアに供給しました。
また、コストダウンを図るためプッシュプル換気装置のプッシュ側の空気は外気をそのまま供給しました。
(図面)
施工後のお客様の声
『施工後、有機溶剤の暴露が少なくなり臭いが弱くなりました。本当にありがとうございました。』とのお言葉をいただきました。