埼玉県で食品工場、特に粉体加工を行うお客様より以下の依頼がありました。
・原料の粉体で汚れた除湿器を洗浄し、メンテナンスしやすくしてほしい。
通常、粉体を扱う工場ではエアコンではなく除湿器を導入しています。
粉体を扱っている工場は湿気を嫌い、かつ温湿度管理が必須だからです。
(参考)除湿器内部の構造
このご依頼に対して田崎設備では、分解洗浄で二重になっている熱交換機の詰まりを取り除き、吸い込み口にプレフィルターを取り付けて熱交換器の粉体詰まりを少なくするご提案をいたしました。
施工方法
具体的な施工内容については以下のとおりです。
①除湿器分解洗浄
②プレフィルター取付け(ケーシング含む)
①除湿器分解洗浄について
まず作業を行いやすくするために除湿器を可能な限り分解し、丁寧に養生を行い高圧洗浄機等で洗浄を行いました。
<ファン(洗浄前)>
<ファン(洗浄後)>
<熱交換機(洗浄前)>
<熱交換器(洗浄後)>
<ドレンパン(洗浄前)>
<ドレンパン(洗浄後)>
田崎設備では洗浄後、複数の手段で熱交換器の洗浄具合を確認しております。
1.水の通過状況・通過後の水の色を確認
2.フィンの詰まりがないか目視で確認
3.吸込み風速の計測
吸込み風速の洗浄前後の測定結果は以下のとおりです。
<洗浄確認表>
測定ポイント⑤
洗浄前 1.35m/s
洗浄後 2.12m/s
吸込み風速(平均)
洗浄前 1.25m/s → 洗浄後 1.87m/s
洗浄後、吸込風速は約1.5倍に上がり改善したことが分かります。
なお、洗浄が不十分で風速が改善しない場合は再度洗浄を行い、お客様にとって最適な環境になるまで徹底的に結果を追求いたします。
②プレフィルター取付け(ケーシング含む)
プレフィルターは能力面を考慮してPS300を使用しました。
また、フィルター枠を取り外ししやすくすることでメンテナンスが行いやすいよう、枠はケンドン式を採用しました。
<取付後>
今回はケーシングを含めたプレフィルターの取付けを行いましたが、オプションで上部の吹出口にフィルターを設置することも可能です。
(お客様自身で設置することもできます)
プレフィルターは吸い込んだ空気に含まれる不純物を繊維で絡め取るためにありますが、長期間使用を続けていると不純物が繊維の目の奥に入り込みフィルターを抜けてしまうことがあります。
内部に入り込んだ不純物の大半は熱交換器のフィンに付着しますが、ごく稀にそこも通り抜けて上部の吹出口から風に混じり排出される場合があり、商品等に混入するのを防ぐために上部吹出口にフィルターを設置するお客様もいらっしゃいます。
保温材の貼り換え
除湿器の内側には保温材が貼られています。
これまではグラスウールが使われていましたが、経年劣化によるガラス繊維や保温材内に発生したカビ等の飛散・混入の危険性があることから近年は表面材付発砲ゴム保温剤が多く用いられるようになりました。
(※材質や性能については『栃木県食品製造業のお客様より、ダクトの仮撤去と復旧作業のご依頼』をご参照ください)
匂いの強い粉体を扱う工場や加工室などで使用している場合、除湿器内部の保温材にも匂いが染みついています。
別の粉体を扱うとなった時に匂い移りする可能性が高く、食品工場では品質にも影響します。
そこで、田崎設備ではご依頼があれば保温材の貼り換えも行っております。
内部を徹底的に洗浄し保温材もすべて剥がして貼り換えるため匂い対策としても有効です。
<保温材 貼り換え前>
<保温材 貼り換え後>
施工の際に気を使った点
今回の施工では、
①熱交換器の粉体詰まりを徹底的に除去すること
②ファン及びチャンバーボックスを取り外し隅々まで洗浄すること
③メンテナンスをしやすいフィルター設計施工を行うこと
の3点を特に配慮して施工を行いました。
施工後のお客様の声
施工後、お客様からは「従業員ではできない徹底的な洗浄で機器の故障を防ぐことができ、また粉体汚れ(詰まり)が少なくなるような提案・施工をしていただきありがとうございました」とのお言葉をいただきました。
これからの時期は特に除湿器の需要が高まっています。
稼働中の今こそ一度メンテナンスを行い、故障や不具合に備えることをおすすめします。
不明な点や疑問点があればぜひ田崎設備へご相談ください。
類似の施工
田崎設備ではこのご依頼と類似した施工を複数行っております。
参考までに一部ご紹介いたします。
栃木県 食品包装業を営むお客様より除湿器のご相談
埼玉県でポリウレタンフォーム(PUF)などフォーム加工製品の製造・販売業を営むお客様より、以下のご相談がありました。
・マットレスの糊付け工程の吹き付け作業で局所排気装置が必要だが、有圧扇を用いた既存のブースではうまく機能が発揮されない。
また、環境改善と併せて省エネも考慮して設計してほしい。