栃木県真岡市で食品包装業を営むお客様より、業務用エアコンの洗浄依頼がありました。
業務では粉体を主に取り扱っており、お預かりして分解した際に内側の保温材の劣化が著しく一部ではカビが繁殖していたため併せて張り替えのご提案もさせていただきました。
保温材の貼り換えについて
除湿器や業務用エアコンの内側には保温材が貼られています。
これまではグラスウールが使われていましたが、経年劣化したガラス繊維や保温材内に発生したカビ等の飛散・混入の危険性があることから近年は表面材付発砲ゴム保温剤が多く用いられるようになりました。
(※材質や性能については『栃木県食品製造業のお客様より、ダクトの仮撤去と復旧作業のご依頼』をご参照ください)
Q.なぜ空調機の内部にグラスウールが使用されていたのですか?
A.空調機に内蔵されたヒーターが万が一故障し発火しても燃えにくいためです。
今回のお客様が使用している除湿器は『パッケージ設備用エアコン』と呼ばれるものです。
吸い込んだ空気を冷却・再熱するヒーター等の装置をオプションとして後から組み込むことができ、限定的ではあるものの風量・静圧などを調整できる空調機です。
後付けできるヒーターにはヒューズが組み込まれているため一定温度を超えると停止するようになっていますが、そのヒューズがもし故障して発火してしまった場合に備えて燃えにくいガラス繊維でできたグラスウールが使用されているのです。
ただ、食品を扱う工場では経年劣化によるガラス繊維や保温材内に発生したカビ等の飛散は無視できる問題ではありません。
同様の空調機を使用されている場合は一度確認してみることをおすすめします。
なお、一般的に店舗やオフィスで導入されている『パッケージ店舗用エアコン』や家庭で使用されている『家庭用エアコン』は上記の『パッケージ設備用エアコン』とは異なり、後からヒーター等の装置を組み込むことはできません。
代わりに無駄を省いて値段を安く抑える工夫がされています。
Q.なぜ今回は表面材付発砲ゴム保温剤に変更したのですか?
A.お客様は『パッケージ設備用エアコン』を暖房・冷房のみで使用しておりヒーターを組み込んでいないためです。
メンテナンスのしやすさや衛生面を考慮して貼り換えを行いました。
施工風景写真
<Vベルト 保温材貼り換え前>
<Vベルト 保温材貼り換え後>
<内部側面 保温材貼り換え前>
<内部側面 保温材貼り換え後>
<一部カビが発生した保温材>
<カビ部分 拡大>
<貼り換え中>
<貼り換え後>
<前面 保温材貼り換え前>
<前面 保温材貼り換え後>
<フィルター 洗浄前>
<フィルター 洗浄後>
フィルター洗浄の際は丁寧に養生し、フィルターを通過する水が透明になるのを確認しながら洗浄を行いました。
<洗浄後 組立 表>
<洗浄後 組立 裏>
食品、特に粉体を扱うお客様にとって異物混入やカビなどの対策はとても重要です。
気温や湿度が高くなるにつれてカビ等は繁殖するため、季節の変わり目など定期的に点検・洗浄することをおすすめします。
田崎設備ではお客様のご要望に応じて、経験豊富なスタッフが丁寧に分解、洗浄、保温材の貼り換え、組立まで責任をもって行います。
この記事を読んで、関心を持ったがどこに頼んだらいいか分からない、または自社の業務用エアコンの具合が気になり始めた等の不安やお悩みがあればぜひ田崎設備にご相談ください。