2021年12月17日に開幕した今年の技能五輪全国大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から会場への入場は選手および関係者等のみで開催されました。東京ビッグサイト（東京都江東区）など14会場において、全42職種の競技に1,028人の選手が参加し、一般の方向けには競技の様子や開閉会式を専用webサイト上（https://worldskills.jp/）で動画配信されました。
技能五輪全国大会とは
技能五輪全国大会は、青年に対し技能者としての努力目標を与えることと、大会の開催地域の若者に優れた技能に触れる機会を提供することで技能の重要性・必要性をアピールし、技能尊重のムードを高め、モノづくりの基盤を強化することを目的としています。
各都道府県から選抜された23歳以下の若者(企業の従業員・高校生・大学生・専門学校生）たちが各職種で技能日本一を競います。
弊社では、若い社員たちが冷凍空調の仕組みをしっかりと理解し、技術者として的確な判断と正確でスピーディーな施工ができるようになること、身につけた力を発揮しお客様と社会に貢献すること、最後まであきらめずにやりぬく力をつけることを目的として2017年とちぎ技能五輪全国大会より出場しております。
田崎設備の参加した種目と内容
弊社の参加職種は「冷凍空調技術」です。空気を快適な状態に保つことを「空調」、低い温度(0℃以下）に保つことを「冷凍」といいます。
家庭用のエアコン・冷蔵庫をはじめビルや工場・乗り物や宇宙ロケット、市場などの大型冷凍保管庫、博物館等の展示ケースなどさまざまな設備を安全かつ快適な設備にするため、縁の下の力持ちとして支える技術です。
今回大会の「冷凍空調技術」の課題は、コンデンシングユニットを使用した「模擬冷凍機作製」をはじめ、「冷凍サイクルのデータ測定、能力算出、ペーパーテスト及びタイムチャート」、「制御配線の追加仕様対応」の３つがあります。
適正な能力を発揮するための施工ができるか、最適な技術や知識を用いて模擬冷凍機を運転までもっていけるか、不具合があった場合に適正な対応がとれるかなど、機器の設置から配管、制御配線までの総合的な対応力が問われます。
競技時間は課題Ⅰが２時間50分（延長時間40分）、課題Ⅱが40分、課題Ⅲが30分です。
弊社では社内にある作業練習場で、先輩社員が作成してくれたパネル蒸発器を使って(本番でも使用します）業務終了後に練習をしています。
業務の内容によっては練習ができない日もありますが、めざす目標に向かって少ない時間を有効に使って練習しています。
かつては技能五輪を経験した先輩社員がいないため手探りで選手各々が試行錯誤を繰り返しながら練習していましたが、今では技能五輪を卒業した社員が教官となって一緒に五輪入賞を目指して日々努力を続けています。
当日の様子
大会風景
今回参加したスタッフのコメント
課題作成においての目標
第一課題で漏れなく時間内に作成すること
目標に対して行ったこと
初めに通しで課題を作成したところ大幅に時間をオーバーしてしまったため、作業の工程ごとに分けて練習した。特に配管の溶接は会社の先輩方に詳しく教えてもらい時間を短縮することができた。
次の問題としては、制御配線で配線の誤接続のミスが減らなかったため配線の組み方を工夫し、ミスをしてもすぐに直せるよう練習を行った。
今までアングルの加工は片方ずつ行っていたが、過去の大会の映像を参考にしてアングルの二辺を同時に加工する事で時間短縮に繋げる事ができた。
反省点
今回大会課題が前回課題から大幅に変わり、ペース配分が難しかった。
競技時間内に課題を終わらせる事が出来たが、終わった安心感で寸法の確認が疎かになってしまい追加配線の課題に自信が持てず守りに入ってしまった。
次回大会は計装制御の知識を付け、追加配線に自信を持って、寸法にもこだわって挑めるように早めに準備を行いたい。
練習風景
社内での事前発表会の光景
これからの予定
厚生労働省は、今後も若者向けの技能競技大会の実施などを通じて若者技能者の裾野を広げ社会的に技能を価値あるものとして扱う機運を高める取り組みを予定しています。
2022年11月に千葉県内の施設をメイン会場として「第60回技能五輪全国大会」が開催される予定です。
仕事との両立をしながらの訓練で大変でしたが、参加したスタッフは次回の「第60回技能五輪全国大会」にも挑戦する強い意欲を示しており良い結果に繋がるよう社員一丸となってサポートしていく所存です。
田崎設備はこれからも技能五輪全国大会への挑戦と、参加する若手社員のバックアップに全力で取り組んで参ります。
（参考）
・厚生労働省HP『「第59回技能五輪全国大会」が閉幕しました』
（https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22828.html）
・技能五輪全国大会HP『競技の紹介』より「36 冷凍空調技術」
（https://worldskills.jp/nationalskills/index.html）
（https://worldskills.jp/images/nationalskills/2020NSC_SHB_36.pdf）
