お客様の悩み・課題
お客様から以下のご依頼がありました。
①シンナー(トルエン)を使用して生産機器の清掃を行う際のオペレーターの健康被害(有機溶剤中毒)のリスクの軽減に伴う排気装置の設置
②労働基準監督署への届け出書類の作成
田崎設備からの課題解決の提案・気を使った施工方法
当初のご要望であった局所排気装置の取り付けですが、生産設備自体のサイズが大きく、またオペレーションの際に局所排気装置が邪魔になり生産性の低下への懸念およびコスト削減のため、有圧換気扇を用いた全体換気を検討することになりました。
全体換気は第2種有機溶剤の場合、
換気量(?/分)=1時間当たりの有機溶剤使用量(g)×0.04の計算式で算出するとともに、各部屋の換気回数(回/h)を考慮して有圧扇4台を選定しました。
また、排気設備を設計する際にお客様が通常のオペレーションで管理しやすいよう、外部設置の特注ウェザーカバーに防虫網を取り付け容易に取り外し・洗浄ができるようにしました。
有圧換気扇の標準オプションのフィルターボックスは内部の有圧扇と共に設置するタイプとなるため、室内の生産設備や配管と絡んでしまいメンテナンスしにくい現状を考慮して選定しました。
ステンレス製で製作し何回も手洗いして使えるため、現場の方々に喜んでいただけました。
また、有圧換気扇取付位置付近に空調機の吸込みダクトがあったのでダクトの延長及び吸込み口の向きの変更等も行い、工場内の空気の流れにも配慮いたしました。
工事に関しては外壁を開口する手段もありましたが、外壁はコンクリート壁であり既存の電線ラックおよび各種配管等があるため有圧換気扇を設置するスペースの確保が難しい状況でした。
そこで窓ガラスをアルポリックパネルに付け替えそこに有圧換気扇を取り付けることにし、スペースを確保することにしました。
施工後に簡易濃度測定を行いましたが、シンナーを使用してから濃度が規定内に低減するまでの到達時間が大幅に短縮され無事試運転が終了しました。
施工後のお客様の声
お客様からは『今回の案件では、こちらの要望を聞いたうえでいろいろと分かりやすく提案や対応などをしていただきました。
特に施工の目的であったオペレーターの健康被害のリスク軽減を施工および測定等で分かりやすい形で実現していただきました。
また、空調機の吸込みダクトの件ですが全く気付かなかったので細かな配慮が出来ていてさすがだなと思いました。次回も困った時にはまた田崎設備に頼みたいと思います。』とのお言葉をいただきました。
場所・仕様・導入機種・台数
三菱電機 有圧換気扇 型式:EFG-25MSB メッシュタイプ 4台
ガルバリウム鋼板製ウェザーカバー(製作)4台
着脱式防虫網 8枚(内4枚予備)