群馬県で畜産業を営むお客様より、以下のご相談がありました。

・最近、数十年使っているプレハブ冷凍保管庫の調子が悪く-10℃~-15℃までしか冷えなくなってきている。
プレハブパネルの接合部の目地も割れ、パネルも歪み結露凍結している。電気代も前よりかかっているようなので改善の提案をしてほしい。

田崎設備からのご提案

20年以上前の冷凍機のため、冷媒はR22を使用していました。
そこでR404A対応の冷凍機と冷却ユニット(ユニットクーラー)への交換をご提案いたしました。
また、プレハブパネルは既存パネルの修理で対応することとなりました。

冷媒について

R22とR404Aはどちらも冷媒(冷凍剤)として使用される化学物質ですが、それぞれ異なる性質を持っています。
R22塩化ジフルオロメタン(CHClF2)としても知られる単一成分の冷媒です。
R404Aは、三成分からなる混合冷媒で、塩化ピリジン(CHClF2)、ペンタフルオロエタン(CHF2CF3)、および1,1,1,2-テトラフルオロエタン(CH2FCF3)の3つの化学物質が混ざり合っています。

どちらもフロンガスの一種であり、冷凍機やエアコンなどの冷却システムで熱を移動させる役割を果たします。
しかしこれらのフロンガスはオゾン層の破壊や地球温暖化など環境への影響が問題となっており、段階的により環境に優しい代替冷媒に置き換えられることが推奨されています。

冷媒の地球環境における影響について

オゾン層破壊係数(ODP)は、冷媒がオゾン層を破壊する潜在的な能力を示す指標です。
R22はODPが0.055、R404AはODPが0です。
つまり、R404Aはオゾン層に与える影響が非常に低いと言えます。

地球温暖化係数(GWP)は温室効果に対する冷媒の寄与を示す指標です。
大気中でのGWP値が高いほど地球温暖化に寄与する能力が高くなります。
R22のGWPは比較的低く1,810ですが、R404AのGWPはかなり高く3,920にもなります。
これはR404Aが混合冷媒であり強力な温室効果をもたらす成分を含んでいるためです。



つまりR22とR404Aはともに冷媒として利用されますが、比較するとR404Aはより環境に配慮した選択肢だと言えます。
ただしさらなる研究や技術革新により、より持続可能で環境に配慮した冷媒が今後も開発され冷媒転換は進んでいくことでしょう。

また、CFCとHCFCは全廃対象となっています。
これらを冷媒として使用している冷房・冷凍装置はガスの補充や修理が次第に困難になってきますので、いずれ更新する必要があります。

(参考:一般社団法人 日本冷凍空調工業会『業務用エアコンの冷媒転換について』
https://www.jraia.or.jp/product/com_aircon/r_change.html

なお、フロンガスについては以下のページでも紹介しています。
『冷凍機 冷媒(フロンガス)への取り組み』
https://www.tasaki-s.co.jp/freezer

施工内容

① 既存パネルは長年の連続使用での吸湿により断熱性がかなり劣化していると判断しました。そのためにパネルの反りが発生し、冷凍庫内での着氷を招いている状態でした。

そこで新たな冷却器の設置場所を冷凍庫内の奥側に変更し、既存の冷却器を撤去した後の吊りボルト穴をそのまま2週間以上放置してプレハブ断熱材の乾燥を図りました。
2週間ほど常温放置したことでパネルの歪みもかなり解消され、改めて冷凍庫として使用可能になりました。
パネル接合部にはコーキングとウレタン吹き付けで外気が入らないよう断熱施工を施しました。

<改善前>


<改善後>


② 冷却器設置の際も断熱施工に十分配慮し、吊りボルトや配管の貫通部にウレタン断熱を外側に吹き付け結露防止に努めました。
また、必要以上の霜取りがなくなるように扉の開閉時間を詳しくお聞きし、霜取りの設定時間を変更しました。
インバータ冷凍機による省エネ運転と最低限の霜取り運転により、改善前よりも30%以上も使用電力量を削減することができランニングコストの削減にも繋げることができました。

施工後のお客様の声

お客様からは『改善工事をまとめていただきありがとうございました。
施工後は-26℃まで冷却できるようになっただけでなく、結露や着氷もなくなり安心して使用できるようになりました。以前よりも電気の使用量も減ったようです。
今後、他の冷凍庫・冷蔵庫の改善も検討したいと考えていますのでその際はよろしくお願いします。』
とのお言葉をいただきました。