製造過程において労働基準監督署より指導が入る

茨城県つくば市にある金属加工工場から、製造過程において労働基準監督署からの指導が入ってしまい困っているというご相談をいただきました。

金属加工鋳造工程において有機溶剤を使用しており、有機溶剤が飛散し工場内の有機溶剤濃度が上がってしまい労働者の労働環境としては良くない状態でした。
発生源は工場内に単独で設置している装置のため飛散する状態も分かりやすいのですが、対応策を検討する際に発覚した問題点がありました。
それは局所排気装置で製品を囲うことで作業工程に支障が出るという部分でした。

上方フードによる吸引が可能であればその方が作業に支障が出ないのですが、有機溶剤は空気より重いため吸引がうまくいきません。
そこでその特性を踏まえ、お客様、特に現場作業の担当者様に実際に作業をしてもらいながら妥協点を探り、必要な作業の流れを損なわずに有機溶剤を吸引できる囲い式フードを設計しました。
その際に作業場所での動きを確認した上で有機溶剤との接点である捕捉面の大きさ(幅×高さ×奥行き)を決め、囲い式フードのサイズを確定しました。
また、外部に設置する排気用の送風機の設置場所をお客様と協議し、併せてダクトサイズと系統を設計し圧力損失計算書でダクト抵抗を確認して工事金額を算出しました。

労基署への局所排気装置の説明

今回の局所排気装置の提案をお客様にご理解いただき、別途作成の依頼を受けた局所排気装置摘要書を作成しお客様と共に労働基準監督署にて説明をさせていただきました。

その後、労基署の申請受理印をいただき約1ヵ月後に8日間に渡る設置工事を実施しました。
工事完了後には制御風速を捕捉面で測定を行い、その結果をもって工事を完了いたしました。

要望通りの局所排気装置ができた

お客様からは、「細かい部分まで対応していただき、また労働基準監督署への申請も同行していただいて本当に助かりました。
工場内の温湿度制御についても相談にのっていただきたいです。」
というお言葉もいただきました。
捕捉面の設定をお客様の作業の動きに合わせて設計したことで使いやすいと言って頂ける局所排気装置を納入することができました。