工場の暑さ対策としてまず思い浮かぶのが「エアコンの設置・増設」です。
しかし、実際にエアコンをフル稼働させても「思ったように冷えない」「現場の熱気が消えない」とお困りではありませんか?
実は工場の暑さの正体は、空気を冷やすだけでは防げない「別の熱」が原因である可能性が高いのです。
第1回目となる今回は意外と知られていない「工場の暑さをつくる3つの熱」について分かりやすく解説します。
設備投資で失敗しないための第一歩として、まずは「熱の正体」から紐解いていきましょう。

【第1回】なぜ工場の「暑さ・空気のよどみ」はエアコンだけでは解決しないのか?
「毎年夏になると、工場の現場から『暑くて作業にならない』とクレームが来る」
「エアコンの設定温度を下げても、増設しても、一向に涼しくならない……」
製造業の設備担当者様や工場長様から、このようなお悩みを非常によくお聞きします。
「暑いならエアコンで冷やせばいい」と考えがちですが、実は工場内の暑さは、空気を冷やすだけでは解決できないケースが非常に多いのです。
今回は社長コラムの第1回目として、意外と知られていない「工場の熱の正体」について分かりやすくお話しします。
1. 空気を冷やしても防げない「輻射熱(ふくしゃねつ)」の存在
工場が暑くなる最大の原因、それは熱の約2/3以上を占めると言われる「輻射熱(ふくしゃねつ)」です。
工作機械、プレス機、炉、乾燥機などから出る熱は空気そのものを温めるだけでなく、「赤外線」として放出されています。
身近な例で言うと「夏の直射日光」と同じです。
日陰に入ると風が冷たく感じるのに日向に出るとジリジリと暑いですよね。あれが輻射熱です。
いくら部屋のエアコンを強にしても直射日光が当たっていれば暑いと感じるのと全く同じことが、工場の中でも起きています。
輻射熱は空気を冷やしても防げません。「赤外線を遮断すること」がカギになります。
例えば、発熱する機械の周りをアルミ製の遮熱シートで囲うだけでも周囲への熱の影響を劇的に小さくすることができます。
2. 配管やダクトからじんわり広がる「伝導熱(でんどうねつ)」
もうひとつ見落としがちなのが、直接触れているものから伝わる「伝導熱(でんどうねつ)」です。
蒸気や温水、熱風が流れる配管やダクトが裸のまま(むき出し)になっていませんか?
そこから熱が絶え間なく工場内に逃げ出し、空間全体をじんわりと温め続けてしまっています。
熱源となる配管やダクトに保温断熱材をしっかり巻き直す(カバーする)ことで工場内への放熱を防ぐと同時に、設備の省エネにも繋がります。
3. 空気を冷やす前に「熱の正体」を見極める
このように、工場の中には「エアコンの冷風だけでは勝てない熱」がたくさん潜んでいます。
本当の生産環境改善を実現するためにはただ冷やす設備を入れるのではなく、「いま現場にある熱が、どのようなルートで発生しているのか?」という原因を突き止めることが第一歩となります。
しかし、実はもうひとつ工場の環境を悪化させている大きな隠れた原因があります。
それが「空気の流れ(給排気バランス)」です。
次回は、「なぜか工場のドアが重い」「排水溝や隙間から変な風や虫が入ってくる」という現象の裏に潜む【給排気バランスの落とし穴】について詳しく解説します。
どうぞお楽しみに!
■ 社長からのひとことメモ
【現場の改善に向き合って感じる事】
現場の改善で一番大切なのは、いきなり大きな設備を入れることではなく「何が本当の原因なのか」をお客様と一緒に共有することだと考えています。
長年現場で培ってきたノウハウをもとに現場の「困った」に関する情報をお届けしていきますので、次回もどうぞご期待ください。

