お客様の要望
お客様から、資材を年間通して保管している製品保管庫内の温度が25℃以上にならないように保管したいというご相談をいただきました。
資材保管庫は2階建て倉庫の2階に位置しており、屋根の断熱がなく天井内装がありませんでした。
そのため屋根からの侵入熱の影響で夏場は40℃以上の温度となり製品の品質にも影響を及ぼしていました。
改善工事のポイント
① 既存倉庫に断熱パネル(*1)による間仕切り及び天井断熱工事を提案しました。
天井からの輻射熱が大きいため空調負荷を減らすことのできる断熱パネルを選択しました。
製品の搬入室経路と保管場所、搬入方法(パレット積み)を確認し、レイアウトプランを提案しました。
② 床に今まで以上の荷重がかかるため、既存床(コンパネ仕上げ)の下地補強及びコンパネの二重貼り出の施工をしてハンドフォークでの搬入室に耐えられる構造にしました。扉は搬入室の利便性を考慮して観音扉を選択しました。
また、1階との境となる床下地箇所(1階の天井裏)の結露が心配だったためウレタン吹付による断熱を施しました。
③ 製品保管場所による温度差を小さくすることを考慮してエアコンの設置位置を決め天吊型を選定しました。
④ 床と壁との取り合いはアルミR巾木を使用し、埃が溜まらないように工夫しました。
今回は事前に地域の消防所との協議説明の機会をいただき、避難経路の方法などに十分に配慮して設置することができました。
お客様の通常の業務と平行しての施工でしたが、お客様のご協力をいただいたおかげでスムーズで綺麗な施工ができました。
工程管理の大切さを改めて実感した案件でした。
*1断熱パネル
室内温度により42mm厚から150mm厚まであり、一般的には表面材がカラー鋼板又はステンレス鋼板、断熱材である芯材が硬質ウレタンフォームでできています。
要望に応じて不燃パネルも選択できます。
他の建築部材、保温材との断熱性能の違いは次の通りです。
<素材名> <熱伝導率>(W/?・?)
硬質ウレタンフォーム 0.021
発泡スチロール 0.036
グラスウール 0.049
ALC板(外壁材) 0.17