課題だった熱中症対策
今回のお客様は栃木県野木町にあり、家電、冷凍機器、建材などの鉄・非鉄金属部品のプレス・精密板金加工を手掛けておられます。
いろいろなメーカーからの依頼を受け、技術力を生かして特注品から量産品まで幅広い製品を送り出しています。
現在は3つの工場が稼働していますが、最近の猛烈な暑さに対する熱中症対策が課題になっていました。
社長にお話を伺うと、以前から働く人たちの健康を第一に考え空調機器を導入したいと考えておられました。
また精密作業なだけに暑さで集中力が途切れると製品にも影響が出かねません。
よりよい製品づくりのためにも快適な作業環境づくりが急務となっていました。
しかし広い工場内では機械ごとにプレスや溶接など違う種類の作業が行われています。
大きな空調機器を据えるだけでは効率が悪く、室内の環境にも偏りが出ることが予想されました。
それぞれの作業をする人の条件に合わせてきめの細かな空調ができないか、というのがお客様のご要望でした。
ダクトを使った空調システムをご提案
そこでご提案したのが、ダクトを巡らせそのダクトから作業する人にスポット的に風を送るというシステムでした。
吹き出し口の手元で作業する人の状況に応じて風向きや風量を変えることができ、溶接を行うような場合は止めることもできます。
また、作業機械の設置状況によって吹き出し口が適当な位置に置けない場所では、空気を大砲のように飛ばす「大砲型パンカー」を用いて離れた場所から冷気を送れるようにしました。
ダクトは6系統に細分化され、一部の系統で不具合が生じても他でカバーできるようになっています。
もう一つの特徴は手元で調整するだけでなく、集中リモコンシステムで事務所内からどこでどのように動いているかを管理し、温度設定、風向き、風量などを操作できるようにしたことです。
空調全体の電力量などの積算も可能であり、使用状況の分析に役立てることができます。
融通が利き、工場などに最適
夏に間に合うように平成28年4月末から約2カ月間で設置しました。
社長をはじめ従業員の方々から大変喜んでいただいています。
この空調システムはダクトを伸長したり吹き出し口を変更したりするなどの融通が利きやすく、実際に使用して改良を加え、よりよい仕組みに変えていくことができます。
お客様ごとに作業環境が違う工場などには最適のシステムといえるでしょう。