
印刷業のお客様より、下記のご相談がありました。
・室外機に霜がついていて溶けない。一度見に来て欲しい。
現場調査の結果、室外機の熱交換器に着霜を確認しました。
また、試運転(冷房)で運転データをチェックしたところ以下の結果になりました。
・室内吹出温度 43℃
・冷媒圧力 高圧1.7MPa、低圧1.5MPa
冷媒の流れが暖房時の運転に近いことから、冷房と暖房の切りかえ弁(四方弁)がうまく動作していないのではと推測し、切り替え用のコイルを左右に動かして再度試運転を行いました。
運転データが通常のデータ(吹出温度7℃、高圧圧力2.4MPa、低圧圧力0.7MPa)になったことを確認し、暖房運転での切り替えも確認できました。
上記の結果から、今回は四方弁の切り替えを行うコイルの不良による異常と判断しました。
四方弁本体の不良も考えられますが、まずはコイルを交換し様子を見ました。
それでも状態は改善しなかったため四方弁の交換をご提案いたしました。
霜が付く仕組みについて
エアコンの暖房運転を行うと、室内機からは暖かい空気を、室外機からは冷たい空気を吹き出します。
このとき室外機の熱交換器は外気が低いためとても冷たくなっており、そこを通る空気中の水分が凍って霜が付いてしまいます。
霜が多く付くと外気を吸い込めなくなり暖房する力が弱くなるため、暖房運転を一時的に止めて霜を融かす霜取り運転を行います。
今回の事例でも本来は霜取り運転が行われるはずでしたが、四方弁の不良により行われず着霜していました。
着霜が起こる原因は大きく分けて2つです。今回のように四方弁の不良によるものと、制御基板の不良によるものです。
とはいえそこまで頻繁に起こるものではありません。多くが経年劣化によるものです。
施工内容
・空調機修理
施工前・施工後のデータ
・吹出温度(室内)43℃→7℃
・冷媒圧力 高圧圧力 1.7MPa→2.4MPa
低圧圧力 1.5MPa→0.7MPa
施工風景写真
<コイル交換前>※赤丸の部分がコイル
<室外機 施行前>
<室外機 施行後>
施工時に気を使った点、工夫した点
修理の基本は考えられる原因を一つずつ検証し解決していくことです。
エラー表示やアラームがない場合でもまずは費用のかからない方法から順次試していき、状況の改善を図ります。
今回は四方弁の不良と制御基板の不良のどちらかが原因であると考えられました。
四方弁の交換は冷媒の回路に手を加える必要がありコイルの交換よりも費用が高額になります。
そこで、まずはコイルの交換で状態の改善を試みました。
また、室内機の吸込みフィルター交換も併せてご提案させていただきました。
施工後のお客様の声
お客様からは『修繕作業ありがとうございました。除霜運転も問題なさそうです。お寒い中作業された方にもよろしくお伝えください。』とのお言葉を頂きました。